腸閉塞について
2021.12.17
カテゴリー - スタッフより
こんにちわ。今回は放射線部より腸閉塞についてお話させていただきます。
腸閉塞は何らかの原因により、小腸や大腸の内容物が肛門側に送り出せずに詰まってしまうことです。便やガスが出なくなると腸管が拡張し、内圧が高くなることから、腹痛の症状が現れます。また、腸管に停滞した内容物により、吐き気や嘔吐、腹部膨満感、食欲不振といった症状も現れます。腸閉塞は以下のように分類されます。
【機械性腸閉塞】
腸管が物理的に狭くなる状態です。単純性(閉塞性)腸閉塞、複雑性(絞扼性)腸閉塞に分類されます。
・単純性(閉塞性)腸閉塞:腸管の閉塞のみで、血流障害は伴いません。手術後の癒着が多く(腸と腹壁や腸同士がくっつく)、腫瘍や炎症、便秘、食事や胆石等が原因として挙げられます。
・複雑性(絞扼性)腸閉塞:腸管が捻じれたり、締め付けられたりすることで、血流障害を起こしてしまいます。血液の流れが悪くなり腸管が壊死してしまうため、緊急手術が必要です。腸重積や腸軸捻転、ヘルニア嵌頓(脱腸が本来の位置に戻らない)等が原因として挙げられます。
【機能性腸閉塞】
狭窄や閉塞はなく、腸管の蠕動運動が低下することにより、内容物が停滞した状態です。麻痺性腸閉塞、痙攣性腸閉塞に分類されます。
・麻痺性腸閉塞:腸管の蠕動運動が停止した状態です。手術後や腸炎、腹膜炎、薬の副作用、脊髄損傷等が原因として挙げられます。
・痙攣性腸閉塞:腸管の一部が強く収縮した状態です。薬物や精神疾患、結石の発作時、腹部外傷等が原因として挙げられます。
治療法としては、絶飲食による点滴治療、イレウス管挿入(腸の内容物を吸引し、内圧を低下させます)といった保存的治療、腫瘍や複雑性(絞扼性)腸閉塞、保存的治療で改善されない場合や、何度も繰り返す腸閉塞については手術が必要になります。当院ではレントゲン検査やCT検査を行い、迅速に病気の発見に努めています。腹部に何らかの症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
はやせ希望クリニック放射線部では患者様の検査が終了した後、その都度消毒を行っております。少々お待ちいただくこともあるかとは存じますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。