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胆嚢腺筋腫症について

こんにちは。今回は放射線部より胆嚢腺筋腫症についてお話させていただきます。以前ブログでお話させていただいた胆石症や胆嚢ポリープ等に比べて、聞き慣れない疾患名だと思うのですが、腹部超音波検査を行っているとしばしば発見されます。胆嚢腺筋腫症はRAS(Rokitansky Aschoff Sinus)と呼ばれる憩室の一種が増殖し、胆嚢壁が厚くなる疾患です。RASは胆嚢の内側にある粘膜層が筋層や漿膜といった外側に向かって憩室様に陥入したものです。このくぼみの内部は空洞であるため、超音波検査では無エコーとして黒く描出されます。壁内に結石が存在することもあります。

 

胆嚢腺筋腫症は形状により、主に3つの型に分類されます。

・限局型(localized type):胆嚢底部を中心に病変が形成された状態です。

・分節型(segmental type):胆嚢頸部や体部を中心に病変が形成され、内腔が狭小化した状態です。

・びまん型(generalized type):胆嚢全域、広範囲に病変が形成された状態です。

※胆嚢は「頸部」「体部」「底部」に分類されています。

 

無症状のことが多いのですが、胆石症を伴う胆嚢腺筋腫症や胆嚢炎を発症している場合は、右上腹部周辺に痛みや違和感等を感じることがあります。このような症状がある場合は手術の適応になります。無症状の場合は診断が確定後、年に一度を目安として腹部超音波検査による経過観察を行っていきます。※胆嚢腺筋腫症と確定される前は、造影CTやMRI、内視鏡による診断を行うこともあります。

それぞれの医療機器の特徴を活かし、様々な視点からの画像診断が疾患の早期発見に繋がります。ご不安やご心配がおありの際は、どうぞご相談くださいませ。

はやせ希望クリニック放射線部では患者様の検査が終了した後、その都度消毒作業を行っております。少々お待ちいただくこともあるかとは存じますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。